トップページ > まじまじ通信2018/1月号

2010年10月から、最近の医療情報や病気の事、子育ての事、連携している児童発達支援施設「厚木なのはな」からの情報、「絵本の店 トロッコ」幸田さんからの絵本のお知らせなどを掲載した院内誌を発行しています。今月分はこちらから。

2018年1月号

あけましておめでとうございます。
皆様には、すこやかに新春を迎えられたことと、お慶び申し上げます。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
今年もよろしくお願い致します。

子どもの痛みを和らげる
~採血に伴う痛みや苦痛を和らげるには~

採血や予防接種などは、お子さんにとって痛みや苦痛を伴うことになります。馬嶋医院では、採血や予防接種の時、なるべくお子さんが怖い思いや苦痛を感じることなくできるよう、看護師達と相談し行っています。まだまだ問題はあると思いますが、当院での取り組みと「子どもの痛みを和らげる~採血に伴う痛みや苦痛を和らげるには~」に関する文献がありましたので、あわせて紹介します。

国立成育医療研究センターアレルギー科 環境省事業エコチル調査メディカルセンター 山本貴和子
「子どもの痛みを和らげる~採血に伴う痛みや苦痛を和らげるには~」より引用

1.採血に伴う痛みや苦痛を和らげる方法

(1)薬を使わない方法
●事前の準備・説明
採血する場所の雰囲気がよくなるように工夫をする。例えば、子ども達が好きな絵を飾る、音楽を流すなど。また、事前に採血する方法についてきちんと子どもにも説明をし、理解してもらえるように心がける必要がある。説明の方法は、人形や絵本などを使って視覚的に分かりやすく手順が分かる用意する。実際使用する物品を見せるのもよい。

●採血中のポジション、保護者同席
ポジションの取り方は、保護者がしっかり抱っこして動かないようにする。この時に、保護者にしっかり動かないように抱っこして安心感を与えるようにアドバイスする。

●気を散らすこと
子ども達が採血中に気を散らすような工夫も役立つ。動画や絵本を見せるなど様々な方法があり、子どもに好きな方法を選んでもらう。風車が吹ける子どもは採血中にふーっと息を出すことにより、針の痛みによるストレスに対してうまく対処(コーピング)することもできる。

●採血中の声かけ
採血中の声かけも重要である。複数のスタッフで処置が行われることが多いが、複数の医療従事者が同時に大きな声で子どもに声を掛けるのはよくない。静かな雰囲気で、一人が優しく採血中に声かけするのがよい。保護者には、子ども達が採血中に泣いたり嫌がったりした行動に対して、怒らないように説明し、あくまでも子ども達をサポートするようにしていただくとよい。

(2)薬を使う方法(外用局所麻酔剤)
わが国では、採血の穿刺の痛みの緩和のために使用できる外用局所麻酔剤がある。1984年にスウェーデンで承認されて以降、世界80カ国以上で承認されており、外用局所麻酔剤として針穿刺、皮膚小手術時の疼痛緩和など広く使用されている。国内においては、2015年6月、「注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和」の効能・効果と小児に対して使用することが承認された。現在、保険診療として使用することが可能である。

外用局所麻酔剤は、年齢により使用量が異なる。処置する60分前(最大120分前)に処置予定部位の周辺に塗布する。

2.馬嶋医院の場合

私が大学病院で働いていた時などは、採血などの処置の時にはお母様は外で待っていました。今は、保護者の方も一緒に手伝っていただいて行っています。採血、予防接種、浣腸、インフルエンザなどの迅速検査が馬嶋医院でお子さんにとって、痛みや苦痛を伴う処置になります。それぞれについて、お伝えします。

●採血
あらかじめ予定している採血は少なく、感染症が疑われる時などの、採血が多いので、外用局所麻酔材は使用していません。お子さんへ事前に手順を説明し、理解してもらうことが大切とありましたが、まだそこまで至っていません。事前に説明することで安心するお子さんがいる一方で、かえって怖くなってしまうお子さんがいるのではないか、とまだ迷っているところです。

採血の時に使う肘枕を看護師がかわいいタオルでカバーしてくれました。また、駆血帯は男の子には恐竜の柄のもの、女の子にはハワイアンの花のものを使用しています。採血後の絆創膏は、くまモンやキティちゃん、シナモンなどのキャラクターを用意しています。採血の前にお子さんに選んでもらい、絆創膏を反対の手に持ち、泣かずに採血ができるお子さんもいます。採血の時は、話しかけたり、採血中に息を吹き出すよう声掛けをしています。ベッドに寝ての採血が多いのですが、お子さんの希望によってはお母様に抱っこしての採血や、一人でいすに座っての採血もあります。

●予防接種
1歳以上のお子さんの予防接種の時には、お母様と向かい合わせに抱っこしていただいています。動いてしまうと危ないので、看護師が手を押さえる形となります。注射の最中に、できるお子さんには大きく息を吹くようにしたり、「お昼は何食べたの?」と話しかけて気を紛らわすようにしています。

●浣腸
浣腸もお子さんにとって苦痛な処置の一つです。やる前にやり方を説明し、できるだけ納得して行うよう心がけています。

●咽頭拭い液や鼻汁拭い液によるインフルエンザなどの迅速抗原検査
インフルエンザ抗原検査も痛みを伴うことが多く、お子さんが嫌いな検査の一つです。鼻をかんだ鼻汁で検査することもできます。

<まとめ>

お子さんの採血等の痛みを伴う処置の対応についてまとめました。
採血に関しては、以前に比べ採血量が少なくなり、採血時間も短く済むことが多くなりました。採血はうまくできればさほど痛みを感じることは多くないように思いますが、それでもじっとしていなければならない、抑えられてしまうことはお子さんにとって怖い出来事になってしまうと思います。

予防接種に関しては、近年ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・B型肝炎ワクチンなどの定期化に伴い、同時接種が多くなりました。生後2ヶ月から接種を始めますが、3~4本接種すると小さなお子さんでも大泣きしてしまいます。針を刺す時より注射液が皮内に注入される時に痛みが多いようです。優しく声かけをし、接種が終わった時に安心させてあげることが大切と考えています。

お子さんが全く痛みや不快感を感ずることなく採血や予防接種などができればよいのですが、全くゼロにすることはできません。色々工夫をしながら、なるべく少なくなるよう務めたいと考えています。

病気と闘うこと、時に我慢することも大切と思います。辛い採血や予防接種も周囲の大人が支え、安心させて乗り切ることができればと思います。

毎年インフルエンザワクチンに来て下さるお子さんが沢山います。小さい時は大丈夫だったのに、年長さんの頃から大泣きするお子さん、「少し待ってください」と言って、自分で心を決めて接種に臨むお子さん、毎年大泣きして暴れていたお子さんが泣かなくなったり、お子さんそれぞれの成長を感じることも多いのです。何より、周囲の大人がお子さんを信じ、お子さんを支えること、見守ることが大切だと思います。それは子育て全てに通じることなのかもしれません。

(馬嶋)

Yori道:正月の話

以前、まじまじ通信で書いたことがありますが、正月の思い出を再度。

子どもの頃の正月の思い出は、いつまでだったかは覚えていませんが、元旦の朝に母が和服を着て白い割烹着を付け、台所に立っていた姿が一番思い出されます。母の珍しい着物姿に、正月はこういうものなんだと思ったような気がします。そして、枕元には新しい肌着が並べてありました。母の着物姿、真っ白な割烹着、新しい肌着。気持ちが引き締まるような気がしました。

小学校の時は、なぜか私の通っていた小学校だけ元日の朝の登校がありました。隣のお友達の通う小学校には元日の登校はありませんでした。千葉県の市川市立の小学校に通っていたのですが、子どもの足で徒歩20分くらいの道のりを、1つ年上の兄と、白い息を吐きながらなんで私たちの小学校だけ登校日があるのかしら…と思いながら通ったものです。元日の空気のきれいな朝だからでしょうか。小学校へ向かう道の先に富士山が見えることがありました。それは鮮明に今でも覚えています。学校へ行くと、朝礼があり校長先生のお話を聞いて、紅白のお饅頭をいただいて帰りました。

結婚し親になって、子どもたちに正月を伝えているかしら、と思うことがあります。子どもが小さい頃は、母のように新しい肌着を枕元に置いていましたが、いつからかそれもしなくなってしまいました。子どもたちにとって、子どもの頃の正月の思い出はどんなかしら、と思っています。

(馬嶋)

厚木なのはなより 第3回定例セミナーのお知らせ

「一人ひとりの自立・社会参加に向けて」 ~就労支援をとおして感じてきた事~

学齢期のお子さまをもつ保護者の方にとって、お子さまの将来を思い描くのはなかなか難しいと思います。卒業後どんな進路があるのか、また自立・社会参加に向けてどんなことを身につけていけばよいのか、今から少しでも知っておくことが大切なのではないでしょうか。

今回のセミナーでは、養護学校で 20年以上進路指導に携わってこられた中村逸郎氏を講師にお迎えし、進路事情や社会に出る前に準備しておきたい心構えなどをお話しいただきます。

日 時平成30年2月4日(日)10:00~11:30
場 所睦合北公民館大会議室
(厚木市厚木市三田2735-1 電話:046(241)1310 )
講 師(社福) 伊勢原市手をつなぐ育成会 相談支援事業所「ドリーム」
相談支援員 中村 逸郎 氏
参加費無料
定 員30 名
締 切1月31日(水)まで(託児は行っておりません。)
電話かメールでお申し込み下さい。
その際、(1) お名前 (2) お子さんの年齢 (3) ご連絡先をお知らせ下さい。
メールatsugi_nanohana@yahoo.co.jp
電 話厚木なのはな:046(404)0663
なのはな栄町:046(404)2237

(厚木なのはな 宇佐美)

たいせつな人と、たいせつな時間を絵本とともに

馬嶋医院 今月のお薦めの絵本は「くまのコールテンくん」
作/絵:ドン・フリーマン 訳:松岡享子 出版社:偕成社
くまのコールテンくんは、おおきなデパートのおもちゃ売り場にいました。早く、だれか来て家に連れて行ってくれないかなあと思っていました。そこへ、女の子がやってきて、コールテンくんを見て好きになりました。かわいいくまと女の子の素敵なお話です。

(絵本の店トロッコ 幸田)



編集後記

2018年が始まりました。皆さまにとって良い一年となりますよう、お祈り申し上げます。
さて、今月号は「子どもの痛みを和らげる」がテーマです。病気を防ぐためとはいえ、子どもにとって注射はやっぱりイヤですよね。おうちの方には、注射を前にしたお子さんに、少しでも緊張を和らげて注射に臨めるようお声がけいただけたらいいな、と感じました。そして、がんばったお子さんをたくさん褒めてあげてくださいね♪ (杉)

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