トップページ > まじまじ通信2017/7月号

2010年10月から、最近の医療情報や病気の事、子育ての事、連携している児童発達支援施設「厚木なのはな」からの情報、「絵本の店 トロッコ」幸田さんからの絵本のお知らせなどを掲載した院内誌を発行しています。今月分はこちらから。

2017年7月号

ボツリヌス症について

<ボツリヌス菌とは>
ボツリヌス菌は土壌や海・湖・川などの泥砂中に分布している(注1)嫌気性菌で、熱に強い(注2)芽胞を形成します。ボツリヌス菌の芽胞は、低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生されます。この毒素は、現在知られている自然界の毒素の中では最強の毒力があるといわれています。
(注1)嫌気性菌:生育に酸素を必要としない細菌のことです。 (注2)芽胞:一部の細菌が形づくる、極めて耐久性が高い細胞構造で、熱・薬剤・乾燥などに強い抵抗力を示し、長期間休眠状態を維持できます。

<ボツリヌス症とは>
ボツリヌス症は、食品中でボツリヌス菌が増えたときに産生されたボツリヌス毒素を食品とともに摂取したことにより発生するボツリヌス食中毒と、乳児に発生する乳児ボツリヌス症等に分類されます。

(1)ボツリヌス食中毒とは:ボツリヌス食中毒では、ボツリヌス毒素が産生された食品を摂取後、8~36時間で、吐き気・おう吐や視力障害・言語障害・えん下困難(物を飲み込みづらくなる)などの神経症状が現れるのが特徴で、重症例では呼吸麻痺により死亡 します。

(2)乳児ボツリヌス症とは:1歳未満の乳児にみられるボツリヌス症です。乳児では、ボツリヌス菌の芽胞を摂取すると腸管内で菌が増殖し、産生された毒素が吸収されてボツリヌス菌による症状を起こすことがあります。症状は、便秘状態が数日間続き、全身の筋力が低下する脱力状態になり、哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉が(注3)弛緩することによる麻痺症状が特徴です。
(注3)弛緩:ゆるむこと、たるむこと。

<原因となる食品>
通常、酸素のない状態になっている食品が原因となりやすく、 ビン詰や缶詰(どちらも特に自家製のもの)・容器包装詰め食品・保存食品を原因として食中毒が発生しています。国内では、北海道や東北地方の特産である魚の発酵食品「いずし」による食中毒が、1997年頃までは報告されていましたが、自家製の「いずし」がほとんど作られなくなり、「いずし」によるボツリヌス食中毒もほとんど見られなくなりました。代わって、容器包装詰め食品(特に、レトルトに類似しているが、120℃ 4分の加熱処理がなされていないもの)・自家製のビン詰めや缶詰による食中毒が発生しています。容器包装詰め食品の中でボツリヌス菌が増殖すると容器は膨張し、開封すると異臭がする場合があります。

乳児ボツリヌス症の原因食品として、以前はハチミツがありました。1987年10月、1歳未満の乳児にはハチミツを与えないように、と当時の厚生省が通知を出して以降、ハチミツを原因とする事例は減少しました。ハチミツ以外で原因食品が確認された事例はほとんどありませんが、東京都で発生した事例で自家製野菜スープが感染源と推定されたものがありました。

<予防のポイント>
ボツリヌス菌の芽胞は土壌に広く分布しているため、 食品原材料の汚染防止は困難です。ボツリヌス食中毒の予防には、食品中での菌の増殖を抑えることが重要です。

【ボツリヌス菌による食中毒予防のポイント】
・容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)や大部分の缶詰は、120℃、4分間以上の加熱が行われているので常温保存可能ですが、これとまぎらわしい形態の食品も流通しています。「食品を気密性のある容器に入れ、 密封した後、加圧加熱殺菌」という表示のない食品、あるいは「要冷蔵」「10℃以下で保存してください」などの表示のある場合は、必ず冷蔵保存して 期限内に消費してください。

・真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭(酪酸臭)があるときには絶対に食べないでください。

・ボツリヌス菌は熱に強い芽胞を作るため、120℃、4分間(あるいは100℃、6時間)以上の加熱をしなければ完全に死滅しません。そのため、 家庭で缶詰・真空パック・ビン詰・「いずし」などをつくる場合には、原材料を十分に洗浄し、加熱殺菌の温度や保存の方法に十分注意しないと危険です。 保存は、3℃未満で冷蔵又はマイナス18℃以下で冷凍しましょう。

(東京都福祉保健局サイト 「食品衛生の窓」より引用)

厚生労働省のお知らせ~ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから~

<赤ちゃんのお母さん・お父さんやお世話をする方へ>
・1歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあります。

・ハチミツは1歳未満の赤ちゃんにリスクが高い食品です。

・ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう。

<食品事業者の方へ>
・1歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあります。
乳児ボツリヌス症の発生状況:乳児ボツリヌス症は、国内では、保健所が食中毒として報告した事例は1986 年以降3 例、医師が乳児ボツリヌス症として報告した事例は1999年以降16 例あります。また、欧米でも発生しており、米国では毎年100 例以上の発生報告があります。乳児ボツリヌス症の発生原因は、食品としてハチミツが指摘されていますが、ハチミツを食べていない例(国内では井戸水)も報告されています。

・ハチミツは1歳未満の赤ちゃんにリスクが高い食品です。ボツリヌス菌は、土壌中などに広く存在している細菌です。ボツリヌス菌が食品などを介して口から体内に入ると、大人の腸内ではボツリヌス菌が他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、通常何も起こりません。一方、赤ちゃんの場合はまだ腸内環境が整っておらず、ボツリヌス菌が腸内で増えて 毒素を出すため、便秘・哺乳力の低下・元気の消失・泣き声の変化・首のすわりが悪くなる、といった症状を引き起こすことがあります。ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。なお、1歳以上の方にとっては、ハチミツはリスクの高い食品ではありません。

・ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう。 一般的に、ハチミツは包装前に加熱処理を行わないため、ボツリヌス菌が混入していることがあります。また、ボツリヌス菌(芽胞)の耐熱性は120℃ 4分とされており、通常の加熱や調理では死にません。

(厚生労働省サイト 「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」より引用)

<最後に>
本文に度々出てきますように、ボツリヌス菌は毒性が非常に強い細菌です。今年3月末に、乳児ボツリヌス症で一人のお子さんが亡くなりました。離乳食として、市販のジュースにハチミツを混ぜた物を飲んでいた。との事です。

文中に書かれていますが、厚生労働省は、食品業者へ「ハチミツとハチミツを含む食品を1歳未満の乳児へ与えないで下さい」と分かるような表記を求めています。乳児に食ベ物を与えるときは、細心の注意が必要と思います。万が一、ハチミツやハチミツ製品を与えてしまったら、症状を観察し、便秘や哺乳力の低下、泣き声が弱い等の症状が出現した場合はすぐ受診し、ハチミツを摂取したことを伝えて下さい。
成人のボツリヌス中毒も大変危険です。自家製のビン詰等を作る時は最新の注意が必要です。「真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭(酪酸臭)があるときには絶対に食べないでください。」この注意を忘れないで下さい。

馬嶋

Yori道:旅の話

旅が好きです。学会の時に少し足を伸ばして訪れたり、休みの時に出かけたりします。海外も良いと思いますが、日本は歴史があり美しい国とどこに行っても感じます。博覧会やテーマパークなどよりも、歴史のある街で、人が沢山訪れていない所が好きです。その土地の歴史や気候、そこから作り出された街や人々の営みを感じることができる瞬間、幸せを感じます。車で出かけるより電車に乗って、ぼーっと車窓から景色を眺めるも楽しみの一つです。

想い出の場所は、奈良の法隆寺、伊勢神宮、淡路島そして今年のゴールデンウイークで訪れた身延山でしょうか。

奈良の法隆寺は、子ども達が小学生だった頃夏休みを利用して訪れました。夏の炎天下、子ども達と汗をかきながら歩いたのを今でも鮮明に覚えています。真っ青な空と白っぽい地面、焦げ茶色の伽藍、大講堂の白い鳳凰紋の入った蚊帳、緑の松。忘れられない美しい風景です。

淡路島は、数年前の春に友人と二人でレンタカーを借りて1周しました。徳島から鳴門海峡を経て淡路島に入りました。淡路島は玉ねぎの産地ですが、玉ねぎの香りがする道をドライブし、お香の店や夢舞台等を回りました。夢舞台の百段園は、山の斜面に沿って小さな花壇が段々になっています。遠くに瀬戸内海の海が光輝いているのを眺めながら階段を一番上まで登りました。1つの花壇に1種類の植物が植えられていました。下の方は、ストックやポピー等の春の花がきれいに並べられ、咲き誇っていましたが、上の方ではレタス・九条ねぎなどの野菜がきれいに並べられていました。レタスや九条ねぎの花壇も、良かったです。レタス等が並んで植えられているさまは新鮮で、野菜も美しく風に揺れていました。

そして身延山。実家が日蓮宗だった事もあり、一度行ってみたかった所でした。私は勝手に暗い所をイメージしていたのですが、明るく立派なお寺でした。ロープウエイで奥の院までのぼり、富士川・富士山・駿河湾・七面山・南アルプス・八ヶ岳連峰など360度の大パノラマを堪能しました。本堂には多くの方が訪れ、人々の信仰の深さを感じました。上から降りてくると枝垂れ桜が咲き、寺の入り口の回りにはヒメシャガの花が一面咲いていました。

(馬嶋)

厚木なのはなより おやこ教室のお知らせ

NPO法人 厚木なのはなでは、未就園のお子様と保護者の方を対象としたおやこ教室を毎月2回開催しています。

手遊びをしたり、シールやはさみを使って季節の工作をしたりして、楽しい時間を過ごしませんか?少人数のグループですので、子どもたちのペースを重視しながら進めています! また、ことばが遅い、気持ちの切り替えが苦手、など発達が気になるお子さんも、参加できるようスタッフがついているので安心して参加できます。お子さんのペースに合わせたかかわりを行いながら「やりたい!」「できた!」の気持ちを育てていきます。保護者の方のちょっとした相談も保育士や心理士がお聞きしています。

お子さんにとっても、お母さんもにとっても元気になれる場所ですよ(^_^)

日程毎月第1・第3木曜日 10:00~11:15
場所なのはな
対象満2歳以上未就園の幼児と保護者
申し込み方法電話・メールで受け付けています。
「おやこ教室参加希望」とお伝えください。
問い合わせ先厚木なのはな 厚木市下荻野1173-1 クレスト睦美野2B-106
電話:046(404)0663
メールatsugi_nanohana@yahoo.co.jp
ホームページhttp://atsugi-nanohana.or.jp

(厚木なのはな 宇佐美)

たいせつな人と、たいせつな時間を絵本とともに

馬嶋医院 今月のお薦めの絵本は「森のいのち」
文・写真:小寺卓矢
出版社:アリス館
森は静まり返っています。でも、耳を澄ませば命の息づかいが聞こえてきます。森の中を行くと、いくつもの命が森という大きな命を繋いでいます。大きく息を吸い込むと森の空気が体いっぱいに染み込んできます。

(絵本の店トロッコ 幸田)



編集後記

6月に梅雨入りました。当初は晴れの日が多く、気温もさほど高くならずさわやかな日が続きましたが、下旬からは雨が降って湿度も高く、ジメジメした梅雨らしい天気の日が増えてきました。そして、この頃から体調を崩して来院される患者さんが増えてきたようです。今月のYori道は旅行がテーマです。これから始まる夏休みに旅行を計画中の方もいらっしゃるでしょう。楽しい思い出を作るためにも、早寝早起きでおいしいご飯を食べて、健康管理に気を配り、元気に夏休みを迎えたいですね(^^♪ (杉)

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